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大変遅くなってしまったのですが、「夢斬るヨミ子」の感想を書かせていただきます。

全巻の終わりが非常に不穏な雰囲気でしたが、今巻では、煙を切るというテーマ、表紙絵の通り、ヨミ子が頑張って切り込んでいき、事態を一歩前に進めることが出来たのではないかなと思います。しかし、一難去ってはまた一難、最後は、あのストラナが衰弱しているさまというショッキングな光景を映し出されていましたが…。

今巻のヨミ子は本当にかっこよかったです…！表紙絵の表情がまず凛々しくて素敵ですよね…育にガラス瓶で殴りかかったのとか、本当によく頑張ったなぁ…偉い……！と思います。年上の育とその仲間たちに囲まれているシーンなんかで、気圧されたりからかわれていたりと、ヨミ子がいつもより幼く見えたため、かっこいい…！と感嘆するだけでなく、褒めてあげたい…えらいぞ…！みたいな感情になってしまいました。ヨミ子はかわいいです。

中学生としてのヨミ子といえば、英語のテストを返却されるシーンもグッとくるものがありました。夢での大冒険（？）をしている一方で、昼間は普通に学生としての生活も送っているんですもんね…。それも、美優はそばにいなく、周りのクラスメイトたちとも距離を感じているっぽくて、かなりしんどいだろうなと思います……。さらには、夢の中で美優と一緒にいた人物が現実世界でもヨミ子の近くに居るようで……なんとも恐ろしいです。

育と静は、前巻では悪役のようなイメージを抱きますが、今巻では（立場としては敵キャラクターでも）魅力的な登場人物として受け入れることができます。育がこういう行動に出たバックグラウンドが長い尺で語られているわけではないものの、やはり描写の上手さですっと入ってきます。二人も、現実でたくさん葛藤や苦しい思いをしてきたんでしょうね…。こちらも高校生らしいというか、現実の閉塞も表れている悩みで、切なくなりました。

豆GOさんの漫画は、いつも本当に演出がよくてほれぼれします。今巻では、冒頭の、育と静の会話のシーンと、ヨミ子が育たちとバーで対話しているシーンの、画面の演出がお気に入りです。どちらも影と光の描写が素晴らしいです。特に、ヨミ子の後ろに31007と表示されるコマがものすごくかっこよくて、見るたびにハッとします……！！

静が育を刺すシーンもとても美しいです。静けさ、場の空気までもが伝わってくるよう…。

学校での答案返却と、ヨミ子と育たちのバーでの場面、モブキャラクターが多く出てきますがみんな描きこまれていてすごいです…。育の仲間たちみんなキャラクターデザインがかっこいい…。細かいところまでしっかり丁寧に練られているからこそ、読みごたえがありながらも入ってきやすい作品になるのでしょうね…本当に素晴らしいです、どのコマもじっくり眺めていたくなります。

乱文失礼いたしました。まだまだ書きたいことはたくさんありますがとりあえず切り上げます（本当は一コマ一コマに感想をつけたいくらいです…）。ツイッターなど見れないときが多くなってきてしまい、感想も次がいつ出せるかわからないのですが（今回も新刊の発売から非常に時間が経った後になってしまい申し訳ないです）、今後も夢見るヨミ子シリーズ、ヤミダミ世界はじめ豆GOさんの作品の世界を楽しませていただこうと思います！陰ながらですが、これからも応援しています。

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