シリーズ完結『夢みたヨミ子』あとがき

2/16のCOMITIA151で頒布した、夢みるヨミ子シリーズ最終巻『夢みたヨミ子』についてのあとがきです。


漫画を読んでくださった上に、こんなあとがきまで読んでくださって本当にありがとうございます。


作品外で色々語るのはスマートではないですが、夢みるヨミ子シリーズは私が初めて完結させた長編漫画です。

せっかくなので、終わってからの気持ちを書いておこうと思いました。

よければ、お付き合いいただけると幸いです。


ちなみに、最終巻は通販でまだ販売中です。よろしくお願いします。

『夢みたヨミ子』通販ページはこちら


サンプルは作品サイトで読めます。

※この記事は『夢みるヨミ子』シリーズ最終巻のネタバレを大いに含みます。

ヨミ子シリーズは見切り発車で描き始めました。

そのため、最終巻に至るまで、粗がたくさんあると思います。

キャラの口調や態度のブレもあります。

つい昨日、最初の方を読み返しましたが、やはり回収しきれていない部分がいくつかありました…。


(ちなみに、10巻で盛大なセリフミスをしていました。鶴のセリフです。

過去の巻を恥ずかしくて真面目に読み返していないため、確認が漏れていたみたいです。

内容には大きく影響しないので、まだ良かったですが……すみません、そういう演出ということにしてください)


そもそも1巻を描いたときは、ヨミ子がストラナと一緒に様々な少女の問題を解決していく1話完結の連作にするつもりで、続きを描くことを意識しないようにしていました。

1話完結なら、いつでも終わらせられると思っていたのです。


それが10巻も続くとは思いませんでした。

ヨミ子の成長を描き切れてよかったです。

漫画内で、ここまで明確にキャラクターを成長させたのは初めてです。


ヨミ子達と自分との距離感も、描いていくうちに変わっていったように思います。

最初はヨミ子を自分と近い悩みを持ったキャラクターとして描いていたのですが、巻を重ねるにつれ、ヨミ子とストラナを見守るような気持ちで描いていました。


ヨミ子は見た目に似合わず泣き虫で、事あるごとに涙をこぼしていましたが、最終巻では一度も泣いていません。

美優と再会したとき、涙ながらに笑わせようか悩んだのですが、やめました。

感極まって泣く、という演出もそれはそれで良かったかもしれません。


ですが、本編ではほとんど笑顔を見せず気を張っていたヨミ子が、最後には美優を優しい笑顔で迎えたということで、個人的には良いシーンになったと思っています。

ストラナと太郎は、先のありそうな結末にしました。

私はこの2人を贔屓しているので、どうしても幸せになって欲しかったのです。

最後の太郎の一言が描けてよかったです。


あと、メカクレキャラとして、太郎の顔をバラすかどうかは悩みました。

結局本編では描きませんでした。

ただ、最後のストラナは彼の顔を知っているかもしれません。


一応、太郎の元になった戸羽の目は6巻で1コマだけ描いています。

今の太郎が、戸羽と同じ顔をしているのかも曖昧ですが。

絶対描きたくない!というわけではないので、いずれどこかで描く機会があるかもしれません。


ヨミ子シリーズは、趣味で描いていたものでした。


この漫画を描き始めた当時は、商業作家を目指していたものの、なかなか上手くいかず落ち込んでいました。

漫画を描くことから距離を置いていた時期もありました。

その後吹っ切れて趣味だけを詰めて描いたのが、この作品です。

そんな漫画が、これまでで1番手に取ってもらえた作品になって嬉しいです。


プロを目指さなくなった今、なぜ漫画を描いていたかというと、同じ嗜好を持った誰かに届いてほしいという気持ちがあったからだと思います。

数だけで言うと、たくさん売れていたとは言い難かったです。

それでも、読んでくださる方がいたから、出し続けられたのだと思います。


この作品が、少しでも誰かの楽しみ、癒し、励ましになっているのであれば嬉しいです。

読んでくださった方がいるだけでも、この漫画を発表してよかったと思います。

それだけで、少し救われた気持ちです。


以下の絵は10巻制作時に描いていた立ち絵です。衣装変更があったキャラのみ描いています。

もしよかったら、感想を送っていただけると嬉しいです。

よろしくお願いします!

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最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました!!

ヨミ子たちを追ってくださった方々に、何か良いことが起こってほしいと願わずにはいられません。

またどこかで作品を見かけましたら、その時はよろしくお願いいたします。


長くなりました。それでは、また。

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